三河の一向一揆もようやく収まった頃、一揆に加わった家臣たちも、宗旨替えを条件に
帰参する事になった。ところが、小栗又市という男のみ、どう言っても改宗しない。
家康は又市を呼びつけ
「どうして宗旨を改めぬのだ!?改めねば、この場でその首を斬り放つぞ!」
又市
「例え素っ首斬りおとされようとも、宗旨は改めませぬ!」
家康が脅しても、どう説得しても、又市はうんと言わない。あまりの頑固さに呆れた家康は
「もうよい。命はとらぬ、何処へでも行け。」と、召し放った。
すると又市、その場でがばとひれ伏し、こう叫んだ
「小栗又市、ただ今から宗旨を改めます!」
家康はさらに呆れて、
「たった今首を斬られても改宗せぬと言ったではないか。どうしていきなりその気になったのだ?」
「武士たる者、首を斬ると脅されての改宗など出来るものですか!
しかしたった今私は、殿によって一命を救われました。
であれば、そのご恩に報いないといけません。
なので、改宗いたします。」
三河武士は面倒くさいのだ。